建設業許可申請の中で、最も悩むことといいますか、最も難しいことは、工事内容の把握ではないでしょうか。

それで、一番問題になるのが一式工事です。つまり、建築一式工事と土木一式工事です。きょうは、建築一式工事の話です。

建設業法の第2条「別表」には、「総合的な企画、指導、調査のもとに建築物を建設する工事」となっています。これしかありません。さっぱり、わかりません。役所側にも明確な回答があるわけではありません。

わかる範囲で列挙します。

1.元請工事の新築工事、増築工事は文句なし。

2.元請工事で、躯体まで手を入れていて、複数工種になっている。比較的大きなリフォーム工事に該当するものでしょうか。躯体まで触る工事ですから、工事金額も大きくなってきます。これも文句ないでしょう。

3.元請工事で、複数工種の場合でも、工事金額が100万円未満の取り扱いが難しい。大阪府や兵庫県では、100万円未満は、建築一式工事と認めていない。まぁ、そのような運用をしています。

4.元請工事で、ここが重要です。施主さん直で、つまり元請工事で、複数工種の場合で、請負金額が100万円以上の場合は、いわゆる「改修工事」で、建築一式工事と認めているようです。

改修工事の場合でも、最低でも5種以上の専門工種が入ります。例えば、大工、左官、電気、クロス、管、コンクリート、解体などです。

5.下請工事で、建築一式工事というのは、ありえない。

本来、土木にしろ、建築一式工事にしろ、元請工事にしか存在しないと考えるのが妥当です。元請工事の下に、各種専門工事があって、建設工事が成り立っているからです。

元請が「建築一式工事」で、下請も「建築一式工事」で、孫請も「建築一式工事」というのは、おかしな話です。やはり、大工工事になったり、内装仕上工事になったり、管工事になったりするのが普通でしょう。

丸投げをしない限り、下請では建築一式工事は存在しない。専門工事の主な部分が何かで、専門工事を決めるのが妥当な考え方です。ちなみに丸投げは禁止されていますから、やっぱり、建築一式工事は元請のみです。

6.ゆえに、建築一式工事の場合は、元請が大前提にあり、次に最低でも、5種以上の複数工種がある場合に認められると理解すべきでしょう。もちろん、その工事内容(5種以上の工事)がわかるものが求められます。

7.早く、建設業法の改正で「リフォーム工事業」を創設してくれたらと思いますが。21世紀は、リフォーム工事が増加しますよ。