1.概 要
監督処分の種類には、指示処分・営業停止・許可取消し・営業禁止があります。
指示処分とは、建設業法違反などに対して、「再発防止策を立て、報告のうえ、実施しなさい」などと具体的にとるべき措置を指示、命令することです。例えば、重大な公衆災害を引き起こしたときに、再発防止策を立てさせ、これを徹底するよう指示することです。
また、指示処分が行われた場合、建設業者が指示に従っているかどうかの点検、調査等が行われます。
2.指示処分は誰から誰に対してなされるか
1)許可官庁(国土交通大臣または都道府県知事)→ 建設業者
親が自分の子を叱るようなもの。通常のパターンです。
2)都道府県知事 → 他県業者等(許可業者)
都道府県知事は、大臣許可や他の都道府県の許可業者(他県業者等)であっても、自分の庭を荒らす(違反行為をする)建設業者がいれば、指示処分をすることができます。
3)都道府県知事 → 許可を受けていない建設業を営む者
政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者は、建設業許可がなくても工事ができます。つまり、建築一式工事以外の業者は、1件の請負代金が500万円未満の工事です。建築一式工事の場合は、1件の請負代金が1,500万円未満の工事か、延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事です。
許可がなくても出来る業者に対しても、違反があった地域の都道府県知事が指示処分をすることができます。
3.指示処分の要件
指示処分を含め監督処分は、拘束力のある行政処分であり、不利益や不名誉を伴うものです。したがって、あらかじめ、監督処分を受けるかもしれない者に対して、どのような場合に監督処分がなされるか(要件)が明らかにされていなければなりません。