経営事項審査の審査基準日は決算日です。同じように経営分析状況も決算日の貸借対照表と損益計算書で判断します。
ゆえに、決算日が非常に重要な意味をもちます。決算日をいつに決めるかによって分析のY点に影響がでてきます。一概に言い切ることはできませんが、現在採用されている指標の分析をみる限り、次のようなことが言えます。
1.期末に未収金が一番少ないこと。
2.期末に在庫(未成工事支出金)が一番少ないこと。
3.期末に借入金が一番少ないこと。
役所は4月から始まり翌年3月で会計年度が終ります。また、4月・5月には公共工事の発注が殆どありません。だいたい6月ぐらいから、どこの役所も動き出します。
年度末(3月)に完成させた工事代金は、4月以降の入金になります。つまり、3月決算の場合が、未集金も在庫も多くなりがちです。当然、未成工事支出金も大きく膨れ上がりますので、下請等に対する立替金も増えます。その結果、工事代金の回収までの、一時的な借入金も発生して、借入金も増加します。
つまり、経営分析では最も悪い月が3月決算になります。逆に5月決算にしますと、役所の仕事もなく、未集金も未成工事支出金も一番少ない月になります。借入金も、3月までの未集金も回収が済んで、一時的な借入金の返済も完了していますので、これも一番少ない月になります。
社会福祉法人の建築を請け負った場合でも、例年5月末に全額回収できますので、未集金が残らなくなります。
5月決算が有利なようです。しかし、これは小手先の方法論に過ぎません。やっぱり、中身で勝負です。