ポリスチレン、グラスウール、合板、ロックウール、ウレタン、ビニール、FPの家、外張り断熱、EVパネル、ソーラーサーキット、OMソーラー、スーパーウォール、高気密測定、アキレスUH、これらは全部間違いです。

「無暖房・無冷房の家に住む(三一書房)」のP106に書いてあります。

著書の山本順三さんに言わせれば、公害を起こす建材を使った家は「住宅」ではなく、「獣宅」となる。シックハウスやアトピーなどが発生しやすい、音が吸音しなくて響く、結露がする、火災時には有毒ガスが発生して死に至らしめる。これらの家を提供している、工務店や建築士に警告を発している。

結露の意味が全くわかっていない。音の意味も理解していない。本当に結露や音の意味を理解していれば、FPの家や外断熱、基礎断熱が完全に間違っている工法か、すぐに理解できる。

山本さんの強調されていることは、自然素材を使うことは当然ですが、特に壁の中、外側、内側に、すべて透湿(とうしつ)する自然素材を使う。壁の中の断熱材は、もちろん「セルローズファイバー」を充填(じゅうてん)する。すべて透湿する自然材料を使えば、通気層も不要と言いきる。

内装材に透湿するルナファザーやチャフウオール、珪藻土、漆喰、無垢板を使う。壁の中の断熱材も透湿する材料であるセルローズファイバーで断熱する。外壁も透湿する「土壁」「漆喰」「そとん壁」「珪藻土」を利用する。

すべて透湿する建材で統一するから、呼吸する家になり、部屋の中はまろやかな空気になり、適度の湿度が保たれ、健康にもよい。高温多湿の日本風土にあった住宅になる。

内側、壁の中に透湿する材料を使っても、外壁がサイディングでは意味がない。サイディングやパワーボードの場合は、通気層を設けることでカバーできるが、本来の住宅にはならない。サイディングやモルタルは、家の外をビニール袋で包んだ状態になる。もうお分かりだと思いますが、雨の日にビニールのカッパを着たら、内側は汗をかく、つまり結露するわけです。

昔の家は、壁の中が竹を編んだ土壁で透湿していた。外側も内側も透湿する材料を使っていたから、まさに呼吸する自然の家だった。しかし、土壁の断熱効果が低い。つい半世紀前までは、日本の家も住宅であり、獣宅ではなかった。しかし、経済ばかり追求してきた建築業界が提供してきた家が獣宅になってしまった。この責任は重いと山本さんは怒る。

土壁の断熱効果が低い。そこで、セルローズファイバーの登場になる。断熱効果は最高。結露はしない。防音効果もある。セルローズファイバーの材料費は安い。施工に若干の費用がかかるが、土壁よりはるかに安い。

山本さんの実践理論(現場と理論を兼ね備えた)は、断熱材であるセルローズファイバーを中心に据えて、外も中も内も、すべて透湿する自然材料をつかって家を建ててくださいということになる。

くどいようだが、この透湿する意味がわからないというより、理解しようとしない工務店や建築士が多すぎる。結露や音のことも全く解らないで家を建てている大手のハウスメーカーや工務店をきる。

私は大げさに山本さんを推奨しているわけではない。建築関係の書物を100冊は有に読んで、山本順三さんに出会った。もっと、正直に言えば、「無暖房・無冷房の家に住む(三一書房)」を精読する前までは、ここまでは理解していなかった。本当の意味で、山本さんが言う意味が理解できた。

彼自身も埼玉県朝霞市に「体験館」を建て、「無暖房・無冷房の家」を実践している。

良心的な価格と本物の自然に近い家を建てようようと思っている方は、この

「無暖房・無冷房の家に住む(三一書房)」と「この本を読んでから建てよう(成申書房)」を真剣に読んで理解すれば、どこの工務店が、本物か偽者か見分けがつく。この2冊を理解されてから建築をされた方がよい。この2冊だけはぜひ読んでいただきたい。絶対に後悔しないと思います。本物を求める、本物志向の山本さんにしか書けない、断熱・防音・結露の本である。