八坂神社を通り、一寧坂、二寧坂をゆったりと歩く。
早くも、律ちゃんと佳世ちゃんは、左右のお店が気になっている。

目指すは「清水寺」なのに、寄り道ばかり。
「帰りにゆっくりと見よぉ~」
「お腹がすいた!」佳世ちゃんが訴える。
「湯豆腐がいいなぁ」律ちゃんが叫ぶ。

二寧坂の中あたり。京都風情が残っている専門店に入る。
長い廊下を過ぎると、2階の部屋に。窓際にすわる。
和風建築が秋風とともに心地よい。

着物姿の京美人がお料理の説明をしてくれる。
「島どうふ」「昔どうふ」「ゆどうふ」3種類だけ。「ゆどうふ」を注文。

 

まずは「ごまとうふ」。
小皿にあっさりとした汁に浸っている。ごまの味が舌をなでる。
「これぞ!ごまどうふ」。上品な「とろろ」と一緒についてくる。
ビールがうまい。

やがて、長い串にさした「木の芽でんがく」が到着する。
焼いた豆腐に味噌がついている。串を持ちながら食べるところがよい。

メインの「ゆどうふ」。
やくみは「ねぎと七味」。食べ方がある。
まず鍋から豆腐を器に取り、ねぎと七味を入れる。そこにつゆをかけながら食べる。つゆを器に全部入れない。食べる分だけのつゆをかける。
つゆが薄くならないから、おいしくいただける。
七味はまろやかで辛くない、絶品の一言。

野菜の天ぷらが横に並ぶ。
青しそ、しいたけ、ししとう、なんきん、焼のり、ダンゴ(山いもをすりおろしたもの)。ごはんもおいしい。

「清水さま、ごめんなさい」。
花よりダンゴ、いや、神様より湯豆腐!