免疫学の世界的権威者である安保徹先生の著書「病気にならない体をつくる免疫力(三笠書房)」からのお話です。安保先生の免疫理論は、体と心がつながっていることを証明され、昔から言われている「病は気から」を科学的に解明された方です。安保先生によると、「体はその言葉に反応して、自分が発した言葉どおりになっていくのです」と書かれています。私も以前から全く同じ考え方を強くもっている一人です。
免疫力を高める健康法を同書で示されています。
まず、体を温めるところから始め、「病気にならない体をつくるためには、ストレスと低体温を防ぐ生き方をすればいいのです」。「病気にならないような生活を送り、病気になったとしても誤った現代医学の治療を受けなければ、誰もが100歳ぐらいまで生きられます。なぜならば、私たちには、免疫力という素晴らしいものがあるからです」。「何歳からでも免疫力は高められるのです」と力強い表現をされています。
安保先生は、「『免疫』とは、簡単に言えば、細菌やバクテリアなどから『体を守る防衛システム』のことです。白血球の働きによって、体を病気から守る自然治癒力とも言えます。ですから、免疫力を高めれば、病気にならない体をつくることができるのです。『自分の体は自分で守る』。それを可能にするのが免疫力だと覚えておいてください」と、分かりやすく説明されています。
また「『白血球中のリンパ球三五%と顆粒球六〇%のバランス』が整っていれば、病気にかかりにくい健康体質となり、結果的に長生きできるようになります」。
リンパ球35%と顆粒球60%のバランスをとることが大事なんですね。「白血球の九割は、顆粒球とリンパ球で占められています。どちらも、私たちの体を病気から守ってくれる重要なものですが、働き方には違いがあります」。「顆粒球は、主に、細菌や古くなった細胞の死骸など大きな異物を処理します。体内に細菌が侵入してくると、顆粒球は化膿性の炎症を起こします。傷口が膿んだり、緑色の鼻水が出たりするのは、顆粒球が細菌と闘っていることを示しています」。「一方、リンパ球は、細菌よりずっと小さいウイルスやガン細胞を攻撃する働きがあります。体内では、一晩に数万個のガン細胞ができると言われていますが、リンパ球がガン化した細胞を除去してくれるおかげで、ガンにならずに済むのです」。
安保先生は、「こうした免疫理論をもとに、これから病気に負けず、長生きするための主な条件をざっと挙げてみたいと思います」ということで、一つめに食事、二つめに体温、三つめにストレスの対処法を挙げられています。
一めは食事です。「病気にならない体の基本は、腸にあります。腸は、免疫力の重要な要素であるリンパ球がつくられる場所です。口から食道、胃、腸、肛門まで一本の筒状になっている消化管を、化学物質などが含まれていない自然食品を食べて適度に刺激することによって、リンパ球を増やすことができるのです」。「たとえば、玄米や海藻、野菜などの食物繊維を多く含んだ食品。納豆や味噌などの発酵食品。酢のものや、わさびや辛子、しょうがなど、辛み、苦みのある食品、にら、ねぎなどの体を温める食品がお勧めです」。
私は青汁を20年以上も飲み続けていますし、毎日、玄米食です。納豆やみそ汁、酢のものも大好物ですので、多少なりとも、腸に良い物を食べてきたようです。
二つめは体温です。「体温は、腋の下で測定して三六、四度が理想的です。少なくとも三六度以上あれば健康を保てます」。「あまり動かずにいると、筋肉が衰えてしまい、それが原因で、低体温になるのです」。それには「運動をしたり、体を動かしたりすると骨格筋が働きます。すると、エネルギー(熱)が発生するのです。適度な運動は、体の発熱に欠かせません。それによって体温を体の深部から温めることができるのです」。
私は、半身浴と5本指の靴下を長年続けているので、体温について自信がありましたが、安保先生の指摘される体温36度以上は、非常に参考になりました。
三つめは、ストレスの対処法です。安保先生は、悪いストレスと良いストレスの例を示されて、悪いストレスとは、「心の悩み、働きすぎの状態、消炎鎮痛剤などの飲みすぎなどのことです。こうしたストレスを長い間抱えていれば、やはり体への負担が大きくなり、なんらかの病気を発生させてしまう原因となるのです」。
「逆に、良いストレスとは、体にほどよい刺激となって、かえって免疫力の重要な要素であるリンパ球増加のきっかけになるようなものです。たとえば、中医学の鍼灸などがいい例です。少しの刺激を与えて自然治癒力を引き出しているわけです」と指摘されています。
これに関しては、多少なりとも心得ていたつもりでしたが、ストレスと免疫力の深い関係について知ることができました。
安保先生は、「ほかにも、さまざまな要因がありますが、まずは、これら三つを見直すことから始めることが健康になる第一歩です。病気にならない体をつくることは、決して難しいことはありません。毎日の生活習慣をちょっと工夫し、それを積み重ねることが大切なのです」。
最後に、「『笑うこと』と『未来を考えること』は、私たちが病気にならずに健康で楽しく生きるための重要な要素に違いありません」。冒頭でも述べましたが「体はその言葉に反応して、自分が発した言葉どおりになっていくのです」。
殆ど引用文章ばかりになりお許しください。「免疫力」に関しては全く無知な私でも少しは理解できて喜んでおります。安保先生、ありがとうございました。