お正月

私の尊敬するＫ子先生から賀状を頂戴しました。
大晦日とお正月の様子が手にとるように浮かんできます。

『 新年おめでとうございます。ことしも、よろしくお願いいたします。』

玄関にしめ縄を飾り、床の間の掛軸を掛け替えて、お花を活けて鏡餅を飾り、みんなの箸袋に名前を書きます。一休みして、お墓にお花を供えに行きます。

三段重のおせち料理も作ります。

お煮しめ、黒豆、栗きんとん、海老のうま煮、鰤の照焼き、白和え、しめ鯖、数の子、蒸し鶏、ちまき、かぶらの千枚漬等を作り、かまぼこ等を足して重箱に詰めます。

子供の頃から、神聖で、厳かで、身の引き締まるような、お正月が大好きでした。元日の朝、新しい洋服を着せてもらい、父の後について、神棚や仏壇に手を合わせていた頃を思いだします。

でも今は、年齢のせいか、社会全体がそうなのか、残念ながら、お正月に当時の厳かさは感じられません。

それでも、私はお正月が好きです。
だから年末は「忙しい忙しい」と口では文句を言いながら、心の奥では楽しみながら掃除やお料理をしております。

懐かしい晦日やお正月のことが蘇ります。私からの返事です。

神聖で厳かな正月が、世の中から薄れつつあります。お正月の儀式もいいですが、お餅つきや凧あげを復活したいですね。年に一回きりの新調の服も忘れがたい。

元旦の朝、目をさますと新しい洋服が枕元においてあって、小躍りしたことを覚えています。夜遅くまで、手作りの服を作ってくれた母親に感謝します。
お母さんのいない家庭もありましたが、親戚や隣近所の方が母親の代わりをされていたように思います。

神棚や仏壇に手を合わせることも久しいですね。神仏に心から感謝します。
神仏を尊ぶ気持が温かい家庭を創り、お正月の大切さが伝わってきます。
私の父親も元旦の朝は、仏壇の前に座り、手を合わせていました。先生のお陰で、私も阿弥陀様に感謝します。

一番小さい社会生活が、家庭から始まります。心ある家庭が、人間らしさをとり戻すような気がします。ご両親や兄弟のいない家庭もありましたが、神仏と一緒にお正月を祝います。いつも神仏と一緒の家庭も、生活の原点ではないでしょうか。

お正月を祝い、お神酒を頂きます。心を清めます。お正月を喜び楽しみます。お正月におしゃれします。お正月だけの言葉があり、お正月だからできることがあります。

普段は神仏のことなど忘れている私も、年に一度、心の底から日々生かされていることに感謝します。先生のお手紙から「お正月」の大切さを教えていただきました。童心に返り「お正月」の歌を思いだしています。


もういくつねるとお正月
お正月には　凧あげて
こまをまわして　遊びましょう
はやくこいこいお正月

もういくつねるとお正月
お正月には　まりついて
おいばねついて　遊びましょう
はやくこいこいお正月

孫たちと一緒に「お正月」の歌を口ずさみながら、お正月を過ごしています。
孫たちと一緒に、仏壇に手を合わせました。

孫たちも大人になれば、きょうのことを覚えているだろうか。せめて、お正月の歌だけでも伝えてほしい。それは幾つになっても、心の奥底に純粋なまま残してほしいから。

よいお正月をお過ごしください。ありがとうございました。