1.いろんな現象を創っていく怖さ

心の中で思っていることが、その方の人格を創っていきます。心の中から出している「波動」が、身近な人たちや多くの人々に、いろんな影響を与えていきます。良い意味でも悪い意味でも、心の中で思っていることや相手に発している「想念エネルギー」が、すべてを決めていると言っても過言ではありません。

自らが発してきた「心の状態」の積み重ねが、現在の自分を決めています。自分を含め、自分と関係してきた出来事や身のまわりに起きる現象のすべてを形づけています。身近な家族や友人にも、その結果がはっきりと出てきます。仕事の上でも、心の反映が如実に現れて、繁栄するのか、衰退していくのか、その成果が導かれていきます。家族、友人、仕事など、すべてのことは、相手に発する自分の心が、どのような状態であるのかに収斂され、その結果として、自分にふりかかって、自分に戻ってきます。

 

2.家族関係

家族関係が良くなるのも悪くなるのも、家族にどのような想いを向けてきたかによって、あたたかい家庭か、隙間風が吹いている間柄か、すぐに結果が現れてきます。言葉も非常に大切ですが、その言葉を発する根本のところが間違っていたら、家族関係もギクシャクしたものになります。本当に優しい心を持っていれば、優しい言葉が出るはずです。勇気づける想いがあれば、そういう言葉を発することができます。癒す心があれば、静かに包みこむことができます。

例えば、子供をいつも裁き責めていたら、その結果として、不登校やいじめが現象として現れ、最終的には、自分(親)の問題になります。親が発した心の状態が、不登校やいじめという形に変化しただけです。そういう親に限って、なおも子供の不出来を責めたて、状況がさらに悪化し、取り返しのつかない状態までエスカレートしてしまうことがあります。一日も早く、自分の子供に対する心の状態に気付くことです。自分の醜いいたらない心に涙し、反省し、温かい癒しの心に変化した時に、子供の不登校やいじめの問題が消えていきます。

3.嫁と姑

永遠のテーマである、嫁と姑の問題でも同じことが言えそうです。両者が阿修羅のような波動を出し続けている限り、絶対に解決することがありません。なぜならば、お互いに自分のことしか考えていないからです。相手である姑のこと、嫁のことを、何も心の底から思っていないからです。お互いに、自分の心の中で、いつも毒を出し続けている自分の姿を棚にあげ、自分は絶対に正しいと思い込み、相手の悪いところばかりを、裁き、責めたて、罵りあっているからです。悪魔の世界です。

互いに譲ることなく、どこが悪い、あそこが悪い、気がつかない、出来が悪い、優しさがないと、いつも、心の中で想っています。言葉に出して悪口ばかり言っています。ほとんど24時間といってもいいぐらい、相手を裁いています。自分の心の世界が、地獄となり、悪魔になっていることに気がつきません。そんな心の想いを、姑に向け、嫁に発している限り、何の進歩も発展もありません。互いの心の世界が反映しているに過ぎないのです。そんな夜叉みたいな念いを、相手である姑や嫁に発しているからこそ、相手も同じような態度や心の状態になります。けっして、相手は、心を開こうとしません。心を開かない相手を見て、「素直さ」がないとか、「かわいげがない」とか、言い張って、その上優しさのカケラもないと思い、なおも相手を責めたてます。自分だけが最大の被害者みたいに思って、自分の大事な心を、自分で傷つけています。泥沼のような心の戦いを繰り返しているのです。

嫁が姑に対して、姑が嫁に対して、24時間、どんな心を向けていますか、心の内をみつめ直してみることです。その醜い心の姿が、現実に家庭内に反映し、お互いに気まずい思いを持ち、うまくやっていけないのです。相手の心は閉じたままで、いっそう悪い方向にいくばかりです。互いの心の扉が開かない限り、悪い念いは募るばかりです。ますます、相手が悪く見えてきます。自分だけが正しいように思えてきて、ますます、相手を責め苛めます。冷たい氷のように、じっと心の扉を閉じたまま、相手を悪く想う以外に、何も考えられないようになります。貴重な時間を、嫁の悪いことばかりで埋めています。姑の悪いことばかりで、心をしばっています。いつもそんな醜い心で生活しています。心の中が悪魔の巣になっています。そんな心には、神様の光が入ってきません。仏の光が届かない心になっているから、ますます悪くなっていきます。無駄な時間のつかい方です。人に会えば、嫁の悪口ばかり、姑の悪口ばかりになり、自ら天に唾を吐くように、状態を悪化させてしまいます。

自分の心が、そうした醜い姿となって、相手の心をしばり、相手の心を閉ざしているのです。相手の心が閉じている限り、相手が優しくなり、相手から優しい言葉が返ってくることは、まず期待できません。優しくしろというほうが無理です。相手をいつも裁き、責め苛む心に、誰が近づいていくでしょうか。犬や猫でも近寄りません。ましてや、心の状態や言葉ひとつで、揺れ動く繊細な動物である人間が、すぐに心を開くでしょうか。憎い姑やかわいげのない嫁も例外ではありません。そのことに、一日でも早く気付くことです。原因は自分の心にあります。相手が悪魔のように見えるのは、自分の心から出ている悪い波動が、最大の原因だと知ることです。心の悪想念がどんな結果をもたらすか、理解する必要があります。毎日、悪い想いで満たしている自分の心を、ぼちぼち、天使の心に切り替える時期にきています。

醜い心の時間を、相手を理解しようとする心に変え、そういう時間を多くもつことです。相手の心が開くには、どうすればよいのか、一生懸命に考えることです。相手の心が開くには、自分がどんな心をもっていったらよいのか、どのような言葉をかけたらよいのか、真剣に時間をかけ、心を砕くことです。気がつかない人には、どんなふうに接したらよいのか、胃が痛くなるぐらいに考えることです。優しい言葉をかけてもらうには、どうすればよいのか。そんなことに、神様がくださった貴重な時間を利用して、心の発展を目指さなければなりません。

何の努力もせずに、毎日毎日、姑や嫁の悪口ばかり言っても、何ら魂の向上に期することがありません。むしろ、自分の魂を傷つけ、低下させているようなものです。自分の心の状態ひとつで、天国も地獄も創ることになります。悪魔のような地獄的な心を出せば、相手も地獄になります。自分の心が、すべての現象を創り出していることを知り、自分の醜い心が、実は、姑や嫁を傷つけていることに気付くことです。菩薩や天使の心に、自分の心の針を向けて、最大の努力をしていく時に、最高の心遣いをしていく時に、初めて、相手は心を開き始めます。開いた心からは、優しさも溢れ、何の拘りもなく、優しい言葉が返ってきます。

どのような心の状態でしょうか。相手に対して、幸せになってほしいと、心の底から思っていますか。本当に温かい気持で接していますか。相手を裁いていますか。責めていますか。怒りを覚えていますか。相手に向けられた自分の心の状態が、いつも良い波動を出し続けていますか。いつも、すばらしいエネルギーを発していますか。相手を本当の意味で理解しようと努力しましたか。そこに誤解はありませんか。一方的に自分の考えを押しつけていませんか。相手の気持で考えようとしましたか。相手の話をじっくりと聴こうとしましたか。そっと、心の中を覗いてみてください。醜い想いがそこにありませんか。私利私欲がありませんか。いつも点検し、自分自身を振り返ってみることが、心の成長につながり、魂のステージを上げていくことになります。人間が心を磨くために、何度も生まれ変わり、魂修行を続ける意味の最大の理由が、ここにあります。この一点にかかっています。

4.仕事

仕事も全く同じことです。一点の狂いもありません。どんな心で、仕事に取り組んでいますか。どんな心をお客さまに向けていますか。従業員のことを、どんなふうに想って経営していますか。すべて、心から発するエネルギーによって、商店や会社の進む方向が決まります。

心を込めて、一生懸命仕事をします。相手が癒され、感謝がわき、勇気づけられる、深いレベルの感動があります。そんな仕事を日々、心掛けて実践すれば、繁栄発展していきます。人を喜ばせたいと決意し、愛情と分かち合いを大切にすれば、関係者をみな大きな愛で包みこむことができます。

夢と情熱、健康と体力、目標達成能力、自分の専門性、営業力、経営や税金の知識、お金に関するセンス、人間関係のセンスなど、いろんな仕事上の道具があり、それを上手に使うことも非常に大切なことです。実務能力を高め、合理的に仕事を進めていくことにも智慧が必要になってきます。日々、創意工夫して、生産性を高めていくことも、ビジネスの世界では、厳しく求められます。しかし、根本のところで、間違った心の波動を出していたら、その仕事は、多くの人を幸福にすることがありません。また、多くの協力者を得ることもできませんし、応援者も増えていくことがありません。相手を裁き、責めてばかりいる経営者に、人は寄ってきません。人は自分を認めてくれる人を求めます。愛情や適正な利益を上手に分かち合える経営者を尊敬し、ついていきます。

やはり、心の問題が、仕事の道具より優先します。相手を幸せにしよう、多くの方を幸福にしていこうと想う経営者に人は集まります。お金の使い道を心得た社長のところに、人は寄ってきます。一生懸命に働く姿に、人は感動し、応援したくなります。応援したくなるような経営者とは、あたたかい波動を出し続けている人です。泉のごとく、人を喜ばし、ワクワクさせるような思いを与える方でしょう。いつも笑顔のたえない楽しい雰囲気を持った、相手を励まし、勇気づける人です。甲子園の高校球児に何かしら、応援したくなるのは、私利私欲に関係なく、一生懸命にプレイしているからでしょう。影日向なく一生懸命に働く従業員が、かわいくて、給料を少しでも多く出してあげようと思うのも、美しい姿がそこにあるからです。

自分を応援してくれる人を多くするには、どうすればよいでしょうか。会う人すべての方に、すばらしい愛の波動を出し続けることです。この人に、最大の幸福がありますようにと、いつも相手のことを祈ることから始まります。この方に、溢れるばかりの幸せが訪れますようにと、心の底から思うことが幸福の原点です。ひとり一人の方に関心を持ち、自分の親友か家族に分かち合うように、知っていることは何でもオープンにして教えてあげることでしょう。そして、できるだけその経済的な見返りを受け取らないことです。本当に心の底から人を応援してあげることが大事です。それが、自分の応援者を増やしていく最大の方法です。ビジネスも、人と人のつながりで成り立っており、お金の流れも、人を通じてもたらされるからです。やっぱり、与えることが先で、けっして見返りを求めない。見返りを求め時に愛は死ぬ。愛が悪に変わります。天使の心でもって、人に接し、温かい心で、誠実に、さわやかに、こつこつと努力することが、成功者の道に入っていくことになります。

アメリカは、2組に1組が離婚するような国です。しかし、億万長者と呼ばれている方々の離婚率は3%ぐらいで、非常に少ないそうです。成功者の町に入った人達の考え方や心の持ち方が、普通の人と違います。妻や子供たちの心を大切にし、夫婦がとても仲が良い。仕事の喜びも悲しみも、夫婦で分かち合うそうです。自分のパートナーをとても大事にします。非常に天使の心に近くて、より多くの方を喜ばす方向に、お金の使い方や活かし方も上手です。松下幸之助さんも、家に帰ったら、よく仕事の相談を、奥さんにしていたようです。やっぱり、成功する方は、家庭も大事にされ、お金の使い方も心得ています。

5.低級な波動

毎日、自分の心から発している想いは、この地球を駆け巡り、自分のところに返ってきます。もし、心の外側がガラスばりで出来ていたら、自分がどんな思いで、相手の方と接しているのか、よくわかりますが、残念ながら見えません。見えないからこそ、毎日、点検する必要があるのですネ。自分が出してきた心の状態で、多くの方が幸福になったり、不幸になったりしてきたと思うと、ぞっとします。自分が発してきた言葉も同じことが言えます。

低級な波動を出すのは簡単ですが、高級な波動を出すのは、難しい。という、主の言葉が心にしみます。自分も、これからは、高級な波動を出し続けていく努力を怠らないようにしよう。そのために、仏法真理があります。その実践項目として、日々の祈りが大切であり、教学が必要になってきます。心の洗濯は、毎日するものです。毎日しないと悪魔がすぐに自分の心を占領してしまうからです。

毎日やるから意味があり、多くの方を幸福に誘うこともでき、成功者の町に入ることもできます。毎日毎日、洋服を洗濯する、自分の歯を磨き、顔を洗うように、心の洗濯をしていき、一歩一歩、努力精進を重ねていくことが、最高の近道であり、最大の幸福をもたらしてくれます。