得意技を磨く。専門分野を戦略的に構築していく。何かの目標と目的をもって、戦略的に消化していきます。

まず、その分野の本を100冊読みましょう。100冊ぐらい読みますと、その分野について多少の専門的な話ができるようになります。すぐに100冊は読めません。仕事をもっていますから大変です。しかし、年に10冊読めば、10年で100冊まで行けます。年に20冊読めば、5年に短縮できます。

例えば、「法律のことがまったく分からない」という人なら、法律に関する本を、とりあえず100冊ぐらい読もうと決め、少しずつ読んで知識をためていきます。100冊ぐらいを一つの目安にして、法律に関心を示し、楽しく勉強していきます。

100冊を読破するまでは何も分からないかといえば、そうではなく、100冊に至る途中で、いろいろなことがだんだんと分かってきます。この段階では、自分のコメントを差し控えたほうが無難ですよ。

200冊、300冊となっていく。少しずつ自分なりの視点が出来上がっていきます。知識の蓄積が多くなり、人の意見に振り回されずに物事を見ることができてくるようになってきます。しかし、それは一時的な錯覚だと、自分に反省を求めるもう一人の自分がエールを送ってくれます。

500冊、1,000冊ぐらいを目指す。できれば1,000冊を目標にします。

1,000冊ぐらいまでいくと、その分野の嘘や間違いがだいたい分かるようになってきます。本を書いている方の弱点や未消化部分などが発見でき、違う書物で補足したり、自分なりの考え方や視点を持つことができます。

つまり相手の嘘や誤魔化しが見えてくるということですね。もっと数多く読めば、さらによく分かります。新聞記事やテレビで発言しているジャーナリストなどの話に振り回されることがなくなってきます。

言葉を換えるなら、「不動心」にも似た自分の視点がしっかりと安定感をもってきます。不動心は「氷山」と同じ。表面に出ている部分は1割。隠れている部分が9割ですから。

1冊で10冊分の値打のある本を読めば、100冊でクリアできます。1冊で100冊分の価値ある書物なら、10冊で目的が達成できますよ。