断熱屋の山本順三さんに惚れ込んだ理由は、本物を求める、本物志向だからである。現場と理論の両方を兼ね備えた本物だからである。

大学の建築学科でも、断熱や音、結露のことをほとんど教えていない。家を建てる時に重要なことはいくつかある。地盤、基礎、柱や梁(はり)などの構造体(躯体)等も非常に大事なことであるが、それらは耐震問題でかなり規制も厳しくなり、やっと欧米からみれば、中学生程度になった。

しかし、断熱材や防音、結露については、大学の先生も間違った教えを平気で説いているし、建築士も工務店もほとんど解っていない。断熱や音の問題、結露については、未だ小学生にもなっていない現状である。建築全般に関しては後進国もいいところである。

山本さんの本を読めば、結露の意味や、人はなぜ結露しないか。ログハウスはなぜ結露しないか。外断熱やFPの家が自然に反した家作りか、基礎断熱がなぜダメなのか、すぐに理解できる。

施主も建築士も工務店も、ぜひ、山本順三さんの本を読んでもらいたい。

「この本を読んでから建てよう(成甲書房)」と「無暖房・無冷房の家に住む(三一書房)」の2冊である。

この2冊は、日本の建築業界を変えていく本だと確信している。