高校の成績が良ければ大学は医学部に進学するという現象があります。医学という職業が好きだから選ぶのではなく、医者になれば経済的に有利だから、というだけで進路を決める。
ところが現実に医者になると、「病人ばかり来て、おもしろくない」と嘆き、病人が来ない都心のオフィスビルの診療所勤務を希望する医者が増えているそうです。
医者でありながら病人を診たくない、という医者が増える一方、病人を診る医者が足りないという矛盾を作っているのです。
医者が余っているのではなく、本当に必要な所に患者を診る医者がいない。本来、医者になるような魂の持ち主でない者が医者になっている、悲しい現象が日本全国で起きています。
単純にお金だけを求めた時に起きる不幸な現象であり、志のない職業選びが蔓延しているように思います。医者に限らず、その仕事がほんとうに好きかどうかで、自分の職業を選んだ方が、本当の幸福をつかむことができる。
好きな仕事はいくらやっても疲れない。その仕事について誰とでも喋りたい。こんな傾向があれば、迷わずその仕事を選ぶべきでしょう。
大学選びも、自分の興味を示す学科や尊敬する先生がいる大学選びをする方が、長い人生では勝利するし、何より自分が一番幸福でしょう。
何か心の疼(うず)きみたいなものがあれば、迷わず、その疼きの方向に進むべし。