帆立の貝殻をパウダー状にして、接着剤に「もみ殻」を使用しているところが、なかなか憎い特許品です。もちろん、内装の壁材として塗ります。

カタログには、無公害、VOC(揮発性有機化合物)軽減、吸放湿、防カビ、消臭となっています。

材料代が安く、消臭能力は最高で、もちろんカタログのとおり透湿します。この「吸放湿」が一番大切なことであり、内装壁材としてお勧めの建材である。例によって、山本順三さんの体験館でのお話を頂戴して、チャフウォールの凄さを説明します。

1.消臭能力

断熱屋は何事も体験してみなければ気の済まない性質であるから、ある晩にサンマを黒焦げに焼いて、家全体をゲボゲボ咳が出るほどまでにした。換気扇を回さないので相当のものであったが、翌朝には何事もなかったように、いつものように爽やかであった。また、塗布してから10日間ほどは木の匂いまでも消し去った。除々に回復はしているが、何となく弱い感じがする。

時には香を焚くことがある。通常では室内に染み込んだ香りを2~3日は楽しめるものであるが、ここでは朝に焚いた香は、夕方にはほとんど残らないほどになってしまう。これは考えたこともない誤算といえる。だが、いつも爽やかな室内は実に気持ちの良いものである。

犬、猫などペットを飼っている住まいに伺うと、当人はそのようなものと思う空気も、はじめて足を踏み入れる者には異臭がするものだ。異臭がするということは、空中にチリが浮遊しているか、それなりの物質が浮遊していることになる。生活臭を消すことはエチケットでもある。

 

2.VOCの軽減

勘違いするのはチャフウォールが、VOC(揮発性有機化合物)を吸収してしまうのではないかと思われるだろうが、それでは除々に黒ずんだ壁になってしまう。そうではなくて、チャフウォールに触れた化学物質が空中分解されると考えてほしい。

この性質は炭などにも見られるものですが、一時的ではなくて半永久的に続くものと見てよい。ホルムアルデヒト、VOCという厄介モノがなくなる。

 

3.吸放湿などの性質

生き物はいかなるものでも皮膚呼吸するものであるから、貝殻が木と同様の多孔質であり透湿する。透湿すればカビることはない。

 

4.カタログ以外

ビニールクロスが受けたのは、汚れても洗剤を少量つけて洗えば汚れが落ちるのと、壁内に水蒸気が入るのを阻止する点からである。

チャフウォールが汚れたら消しゴムで十分に落ちてしまう。また、洗剤を浸して雑巾で拭き取っても差し支えない。時には「やっちゃった」と思うような衝撃にも何ともない、そのところは貝殻の硬さがある。だから、ビニールクロスの優位性は全くなくなった。

チャフウォールは、石膏ボードに直に塗布することができるのだが、チャフはペンキと同様の厚みで塗るものであるから、どうしても下地の処理が浮彫りになる。私のところでは下地にルナファザー(ドイツ製の再生紙)を貼って、その上に塗布する方法を採用している。ルナファザーだけでも立派な壁紙であるが、チャフのように働かない。断熱屋は商売柄、音が気になるので一番凹凸の大きいルナファザーを選んだ。凹凸によって音は乱反射して反響音を軽減し、ペンキ塗りではできない模様が浮き出る。チャフの色は無限にあると形容しておく。

かくて継ぎ目のない壁ができた。クロスの継ぎ目は長い間の伸縮によって、必ずと言っていいほど割れたり剥がれたりする。それが貧乏たらしく見えるのだが補修は結構難しいもので、縮んでいるから伸ばそうとすれば切れていまい、新しく部分的に張り替えても目立つ。

接着剤がモミ殻であるから弱いものに違いない、という先入観を持っていたのだが、それは的外れだった。塗装するとき養生のミスで所々に点々としてこぼしたチャフは、下地を削るようにしなければ取れない、とても頑固なものである。

 

5.結論

壁は単に壁であると思っていた意識を変えなくてはならない。すなわち、チャフウォールという壁と天井は、人を健康にする仕事をしているということである。われわれヒトが生きていくための手助けをしている。

これに対して、ビニールクロスは半永久的にVOCを吐き出し続けて、ヒトに多大の健康被害をもたらし、最終処分に至るまで銭食い虫ではないか。その違いをわれわれは知るべき時にきている。