上司が部下を批判したり、平社員でも社長のことを分析したり評価できます。指摘や批判は、小の者が大に対してもできるので、あまり価値あることではありません。
問題点があるのなら、その指摘もよいが、同時に3つぐらいの対策案を提案したいものです。それも具体的に提案なさってください。自分には、これがなかなか出来ませんでした。
いつも、しっかりと考える力をつけていないと、すぐに対応できません。思考力というのは、物事を具体的にどのように解決していくか、処理していくか、進めていくかを提案でき、実行できることでしょう。
商社時代に、K室長からよく言われました。
「おまえ、それでも考えているのか?」
「室長、いくら考えても何も出てきません」
「当たり前だ。抽象的に考えるからだ。もっと、具体的に考えろ。メモしろ」
「真剣に考え抜いたら、頭から湯気が出てくる。それぐらい考えてみろ」
「寝ても覚めても、具体的な事を考え抜いてみろ」
「今から本屋に行って、企画関係の本を10冊ぐらい買ってこい。勉強しろ」
真剣に具体的に考え抜いた時には、前頭葉あたりから湯気がでてくるそうです。具体策を3つ考えます。徹底的に考えます。
社内会議の席上でも同じことが言えます。反対意見を述べる時は、必ず代替案を出します。具体的な提案をします。優秀な方は、何か問題点にぶつかった時に、解決策を考え抜きます。問題点と一緒に、解決策も3つぐらい用意して、上司に報告します。
この具体策をいつも3つ準備しようと心得てはいますが、いつも1つで終わります。下手すれば、何も具体策を考えていない時の方が多いです。
それでも、いろいろな書籍や資料を参考にしながら、来る日も来る日も考えます。食事の時も、寝ていても考えます。すると、夢の中にその具体策が出てくる時もあります。また、散歩している時にもアイデアが浮かんだりします。私みたいな鈍才でも、考え抜く努力を続けていますと、不思議なもので、具体策が見つかる瞬間があります。
昔から良い考えは、三上(さんじょう)から生まれると言います。三上とは、馬上(ばじょう)、枕上(ちんじょう)、厠上(しじょう)の三つです。馬上は馬の上ですが、現代に置き換えると、車の中や電車の中に当たりますね。枕上は枕の上ですから、寝る前にアイデアが生まれやすいということでしょう。厠上(しじょう)は、トイレの中ということです。トイレに座っているとアイデアが浮かんできます。これらは潜在意識と同通しやすいからでしょう。
思考力は具体的に考えた時に、ヒントが得られるようです。抽象的に考えても、妙案は浮かんできません。具体的にどうするかです。具体的に考えてみてください。