若い頃は、些細なこと、小さなことに対して傷ついたり、落ち込んだり、気が滅入ったり、やる気をなくしたりすることが多くあるものですが、私自身の心のなかにも、マイナスのもの、あるいは、そうした考えを引き付けるような要素があったと思います。

 自分の心のなかに、マイナスの要素を引き寄せる磁石のようなものを持っていると、毎日のなかで何かマイナスに当たるものが出てきたときに、「やっぱりそうだったか」と自分でそれを引き寄せ、自己確認して、「自分は駄目な人間なんだ」と思ってがっかりしたり、落ち込んだりするようなことが多くありました。

 それが、潜在意識の勉強を本格的に始めた頃から、マイナス的な想いから良い想いに変わってきました。行政書士を開業して仕事も忙しくなり、「どうしたら得意先に喜んでもらえるのか」「社長のために何か良いアイデアを提案できないものか」「何か書士会のためになることはできないか」というようなことが考えの中心に移ってきて、小さなことに悩んでいる暇もなくなり、マイナス的な要素がだんだんと消えていきました。

 反対に、「不利な状況になっても、どうしたら自分が加点できるか、点数を上げられるか。プラスの成果をあげられるようになるか」「いかにして、この悪い条件のなかで戦い、プラスを出せるか」というような心の持ち方に、変わっていきました。

 若い頃、悪いことや悲観的なことを引き寄せる傾向が強かったときには、「環境のせい、人のせい」といったところに、責任を求める傾向が強かった気がします。「何々のせいでこうなった」という考え方です。

 しかし、それが逆転して、リバウンドしようとするような心の傾向になってくると、「何か不利なことが自分を支配した」という考え方をしなくなったような気がします。

 実際、不利な状況下であっても、誰もが同じような結果になるわけではありません。客観的には、それを転じて成功へ持っていく人もいますし、もっと有利な条件があったにもかかわらず、失敗する人もたくさんいます。

 したがって、「何かの要素が、自分の成功・失敗を左右した」というような考え方には間違いがあると思います。

 そうではなく、「自分に与えられている要素のなかから、何を成功の補助要因として使い、何を防御するか。人生の目標実現を妨げるものから、自分自身を護り切ることができるか」という考え方に変身することです。成功の道へと歩んでいくには、そういう技術を身につけることも大事であると思います。