自分の人生について考えたことがない人はいないでしょう。いくら考えても考えても答えが出ないものが人生ではないでしょうか。また、考えれば考えるほど味わい深いものが人生ではないでしょうか。この「人生」という言葉に、どのような形容詞を付けるかで、人生の未来が変わってくると思います。

 例えば、この「人生」という二文字の上に、もし、「不幸な」という言葉を付けたならば、それだけで、人生には暗い雰囲気が漂うでしょう。しかし、そうではなく、「幸福な」という言葉を付けたならば、それだけで、人生はバラ色に見えてくるでしょう。城たいが氏の詩に「幸せだと思った時から、幸せが始まる!」まさに、この想いです。

 幸福な人生も成功に至る道であり、成功条件の一つでしょう。もう一つ成功というものを考える時に、「魅力ある」という形容詞をつけて、「魅力ある人生」というものを考えていくことが、成功につながっていくのではないでしょうか。

 では、魅力ある人生とは何でしょうか。

 魅力とは、一般的には「他の人が見て、うらやましく思う」ということでしょう。しかし、もう少し考えてみると、違った観点があると思います。それは、決して、「他の人の好奇心を喚起し、他の人をうらやましがらせる」ということだけはないように思います。

 得意先の魅力ある社長さんを見るにつけ、「社長さん独自のものがある」「その会社独自のものがある」ということです。数十年の人生が、「自分独自のものである。そこに自分なりのオリジナリティがあったと言い切れるものであるかどうか」です。会社経営も同じだと思います。これが一つ目の魅力ある人生の考え方です。

 二つ目は、「その人生が、嬉しいものであるかどうか。喜ばしいものであるかどうか」ということです。「やりがいがあるかどうか」と言い換えてもよいでしょう。魅力ある人生であるためには、どしても、やりがいがあり、生きがいがあり、喜びが伴うような人生であってほしいものです。

 三つ目は、「今回の人生で、何か新たなるものを付け加えることができた」という感覚です。得意先のA社長は土木工事の積算名人ですが、それに加えて数千万円もする測量機を購入されて他社が真似できない測量技術を付加されました。

 このように、魅力ある人生を築いていくことが、成功条件の一つだと思います。

 また、なぜ魅力ある人生を生きることが大事なのでしょうか。それは、人間は永遠の生命を持っているからです。今世限りの人生でなく、幾たびか地上に肉体を持って生きています。この考え方を強制するつもりはありませんが、こういう考え方を持つほうが、損得勘定で考えても、やはり、得な人生になるのではないでしょうか。極端な例ですが、今世限りで人間の生命が終わるなら、努力もせずに好きなことをすればよいでしょう。しかし、繁栄発展されている成功者を見るにつけ、そのように考えるのは、やはり、どこかおかしいと考えます。また、大富豪などの書物を読むにつけ、やはり、間違った考え方と思います。

 永遠の生命があるからこそ、今世の人生が魅力あるものとなっていくのではないでしょうか。だからこそ、今世の人生において、新たなものが付加できたら、自分自身の喜びにもなり、多くの方の幸せにもつながると思います。それは会社経営においても、全く同じ考え方が当てはまります。A社長の経営方針が必ず未来に引き継がれていきます。そう意味でも、会社も永遠の生命を生きていると考えます。