一般社団法人の定款には、記載してはいけない事項があります。これを有害的記載事項といいます。これらを記載すると定款全体又は当該事項が無効となる事項です。そのような記載のある定款は認証されません。

 中でも一般社団法人は、剰余金の分配を目的としないということを法人格取得の条件としていますので、定款に、社員に剰余金の分配を受ける権利を与える旨の規定を定めても、効力が生じません。

 有害的記載事項の例としては、次のようなものがあります。

 

1.社員に剰余金又は残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定め

  (一般法人法11条2項)

 

2.社員総会で社員に剰余金の分配をする旨の決議をすることができる旨の定め

 (同法35条3項)

 

3.一般法人法の規定による社員総会の決議事項を、理事、理事会その他の社員総会以外の機関が決定することができる旨の定め

(同条4項)

 

4.社員総会決議事項の全部につき、社員が議決権を行使することができない旨の定め

 (同法48条2項)

 

5.理事会設置一般社団法人における理事の議決権の数について、差異を設ける定め

 (同法95条、48条1項)