病気のなかには、どうしても避けられないようなものもありますが、その人の考え方、精神が病気をつくっている例は非常に多くあります。
病気をしている人に、「あなたは病気が好きだから病気をしているのでしょう」と言ったら怒るでしょうが、実際にそのとおりであることが多いのです。
世の中には、人間関係で失敗したり、事業で失敗したりすると、病気でもつくらないかぎり行くところのない人が大勢います。「病気になれば、すべてが許される」と考え、「私の罪は、これでなくなった。責任はなくなった」と思いたくて、次第しだいに自分を病気に追い込んでいくのです。また、それが意識的にではなく、無意識下で起こることもあります。病気になりたいがゆえに、不健康なことをしたり、変わったことをしはじめたりし、急に無理を重ねて倒れてしまうのです。
そして、本人は、「不幸であった。運命が自分を許してくれなかった」と考えます。また、病気になれば、他人の同情を受けることもできるわけです。
しかし、「ほんとうは、心のなかに、病気になりたい。逃避したい」という気持ちがあったのだということを知ってください。そのようなことは多いのです。
では、成功しようと思っている人は、どうでしょうか。
ほんとうに自分が成功したいと思っているならば、病気になる兆しがあったときには、「これはいけない。体を大事にしなくてはならない」と考えます。そして、家族をはじめ、さまざまな人のアドバイスを受け、「なるほど。それでは、私は、仕事の仕方などを、こう変えていかなければならない」と考えて、すぐに生活態度を切り換えていけるのです。
ところが、病気を愛する人に限って、さまざまな人が忠告しても、それを絶対に聴きません。何カ月も前から、「あなた、そのままでいったら倒れるよ」と忠告されているのに、「いや、そんなことはない。おれは大丈夫なんだ」と言って突っ走り、急に倒れるのです。
これは、「無責任が病気を起こしている」ということです。
ほんとうに責任感を持っている人であれば、自分が倒れたら困るので、事前に調整をつけるものです。しかし、責任をとらない人に限って、そういう無理をし、その結果、いろいろな人に迷惑をかけることになってしまいます。
すべて、心のなかに、「自分を幸福にしたい」という映像があるか、それとも、「自分を不幸にしたい。失敗した」という映像があるか、この一点にかかっています。