漢方では、血をつくれないことを「気虚(ききょ)体質」、血が足りないことを「血虚(けっきょ)体質」、血が流れないことを「瘀血(おけつ)体質」と言います。
例えば、血液をサラサラにしても、血流がよくらないことがあります。それは、血の不足が原因の場合もあります。確かに血液がドロドロよりもサラサラしている方が良いのですが、血の不足していることを知ることも大切です。
堀江昭佳先生の「血流がすべて解決する(サンマーク出版)」には、「誤解を恐れずにいいますが、血が足りないひとがいくら血液をサラサラにしても、まったくの無駄です」。また、「血が足りないひとの場合、血の不足を解消しないと、まったく解決につながりません」と指摘されています。
血がつくれないのかが原因なのか、血がたりないのかが原因なのか、血が流れないのかが原因なのかを知ることが、非常に大事であると力説されています。それと、血流を改善していく順番があるそうです。まず、血をつくれない状態を改善し、次に血がたりない状態を改善し、最後に血が流れない状態を改善していきます。順番を違ってもダメだそうです。
堀江先生は、「つくる、増やす、流すの順番を必ず守る」ことが大事と言われる。「血流をよくして体の土台をつくるために必要なのは、『つくれない・足りない・流れない』という原因を解決する三つのステップです。血はつくれないから足りなくなります。そして足りないから流れないのです」。
ここでは、一番最初に血をつくれるように「気虚(ききょ)体質」の改善方法ですが、堀江先生は、気虚体質チェックとして「疲れやすい、風邪をひきやすい、足がむくみやすい、トイレが近い、よく息切れがする、軟便、下痢がある、冷え症、声が小さい、胃もたれしやすい、満腹まで食べる、新陳代謝が悪い、朝食が欲しくない、やる気が出ない、決めたことが続けられない、すぐにあきらめてしまう」を挙げられていて、「体の状態では、とにかく胃腸の不調が目立ちます。血だけでなくエネルギーもつくれませんから、疲れやすく、だるくなります」。「心の状態では、『血がつくれない=気虚体質』だと、やる気が出ないのは特徴です」と指摘されています。
それには、「胃腸が元気になれば血がつくれるようになります」と端的に書かれています。その具体的対策として、食事を改善することで血をつくれるようになるための方法論が十項目も書かれています。「1.満腹より空腹がいい」「2.やっぱり朝ごはんは食べなさい」「3.一週間夕食断食で胃腸がよみがえる」「4.夕食断食をすると、内側から若返る」「パン食よりもごはん食がいい」「6.ほうれん草では鉄分を補えない」「7.血流不足にマクロビはすすめない」「8.血を増やしたければ肉食女子になりなさい」「9.下腹ぽっこりは血流の大敵」「10.命への感謝が血をつくる」。十項目について詳細に書かれていて、参考になることばかりです。
特に8番目の「血を増やしたければ肉食女子になりなさい」のところは、牛肉や豚肉でなく鶏肉の勧めです。堀江先生は、「ふだんから食べるには普通にスーパーでも販売されている鶏肉でいいでしょう。栄養価の面を考えると、少し奮発して地鶏を選んでいただきたいところです」。あと「骨つきの手羽先や手羽元をスープ仕立てにするのがおすすめです」とも書かれていました。鶏肉を食べて、血をどんどん増やしましょう。
堀江先生の書籍は良書だと思います。特に女性にとっては、最適の書籍ではないでしょうか。あとは、ご購入されて、血をつくり、増やし、流れをよくなさってください。