1.福祉タクシーは一般乗用の限定許可なので、介護保険法による介護タクシーの特定旅客より大きな許可になります。
2.訪問介護などの「指定居宅サービス事業」は、介護タクシーの特定旅客運送の申請もできますが、一般乗用の福祉タクシーを申請すれば、当然に介護タクシーもできます。その場合は、介護保険法に基づく「運賃料金の設定届」を提出すれば足ります。改めて、特定旅客運送許可を取る必要がありません。
3.その場合、福祉タクシーの申請は、個人でも可能ですが、「指定居宅サービス事業」は、法人でなければならないので、注意すること。
つまり、「指定居宅サービス事業」の指定を受けていない個人が、福祉タクシーの申請はできますが、将来、指定を受けて介護タクシーをする時には、福祉タクシーの個人から法人への組織変更が必要になります。故に福祉タクシーを申請される場合は、法人の方がスムーズにいくことになります。
4.福祉タクシーだけの審査基準が設けられ、個人でも法人でも申請できますが、本来、介護保険法の適用を受けられた方の昇降介護による輸送が主目的ですから、福祉タクシーだけの事業となると、顧客の獲得が難しい面があります。
5.結論
⑴ 「指定居宅サービス事業」の指定を受けている法人は、介護タクシーの申請よりも範疇の広い「福祉タクシー(一般乗用の限定)」の許可申請をする方が望ましい。なぜならば、介護保険法による介護タクシーの昇降介護も出来るし、介護保険の適用にならない、例えば、墓参りにいくとか、実家に帰るなどの輸送は、福祉タクシーの許可が必要になってくるからです。
⑵ もっとも、介護保険の適用範囲でしか輸送をしない(病院・役所)事業者は、特定旅客運送の許可だけとよいと思いますが、現実的には、介護保険の適用外の輸送もあると思います。
⑶ 特定旅客運送のメリットは、法令試験がありません。福祉タクシーはあります。