産業廃棄物が発生すると、それらは「中間処理工場」と呼ばれる場所に運ばれます。

中間処理工場では、受け取った産業廃棄物を最終処分しやすいように処理します。中間処理には、産業廃棄物を燃やして燃え殻にすることにより減量化を行なう「焼却」、産業廃棄物を砕いて減容化を行なう「破砕」、燃え殻などを高温で溶かす「溶融(ようゆう)」、汚泥などから水分を取り除く「脱水」、そして産業廃棄物をリサイクルしやすいように分別する「選別」などがあります。

また、廃酸や廃アルカリなどを中和して、安定した状態になるようにする「安定化」や、ダイオキシン類やPCBなどの有害な廃棄物から有害物質を除去したり、分解することによって人体や環境に影響を与えないように処理する「無害化」などをすることによって、処分をしやすくするという中間処理方法もあります。

中間処理という過程がなぜ必要かというと、その最大の理由は廃棄物の容量を減らすためです。もし、中間処理を行なわずにそのまま埋め立てされていたら、今ごろ日本中は廃棄物だらけになっているでしょう。

リサイクルできるものを分別し、リサイクルできないものやリサイクルするにはコストがかかりすぎるものは焼却や破砕などの中間処理を行なうことで、最終処分場で埋め立てる量を極力抑えることができるのです。現在排出されている産業廃棄物は、中間処理をすることによって約半分の容量にまで減ってきています。

産業廃棄物が出てきた状況や産業廃棄物の品目によっては、この中間処理の過程を経ずに直接最終処分されたり、直接リサイクルされるケースもあります。

中間処理を終えた産業廃棄物は、リサイクルされる産業廃棄物と埋立処分される産業廃棄物の2種類に分かれます。リサイクルされる産業廃棄物は、それぞれの再生事業者へ委託され、リサイクル資源として新しい製品に生まれ変わったり、熱エネルギーとしてリサイクルされます。

リサイクルされずに埋め立てられる産業廃棄物は、「最終処分場」と呼ばれる廃棄物の埋立処分場に運ばれ、埋立処分されます。