1.概 要

産業廃棄物の収集運搬における、再委託(傭車)は原則的に認めていない。

なぜ認めていないのか。不法投棄につながるからである。これが大きな行政の趣旨であり、最大のシバリである。

通常の運送業では、傭車は当然のように是認されている。利用運送の登録をすることで可能になり、ごく当たり前のように傭車という行為が日常茶飯事のように行われている。

しかし、産廃の収集運搬では、傭車(再委託)は、断じて禁止している。この前提を抜きにして、再委託を論じることができない。

届け出ている車両の範囲内で、収集運搬の仕事をしてくださいということ。つまり、事業を拡大する時は、事業計画を綿密に組み、車両台数を考えて、そのつど車両変更届を管轄の役所に提出することになる。傭車(再委託)をして、事業展開できない業者が産廃の収集運搬業である。事業拡大の再委託(傭車)は、断じて認めていない。

届け出ている車両以上に仕事を受ける時は、先に車両の追加登録を出してから、仕事を始めることになり、事業が膨らんだり、萎んだりする時も、いちいち車両の変更届を提出することになる。もちろん、車両は、自己所有でも、借物でもよい。

2.リース車の場合

一時的にリース車を利用して、仕事をカバーする時も同じように、車両の変更届を出す。そのたびに車両を届け出て、その車両が不要になれば、また変更届を出す。面倒な手続であるが、一時的に膨らむ仕事の再委託(傭車)を認めていない。大前提が不法投棄にあるからであり、安易に再委託を容認してしまうと、不法投棄の増大につながることから、再委託を禁止している。(廃掃法14条14項)

3.再委託の例外

例外的に再委託を認めているケースは、緊急避難的な場合だけである。

例えば、届け出ている車両が事故などで故障し、どうしてもその車両が利用できない場合や、処分業者の施設が故障等によって、受託した産業廃棄物を受入処分できない場合に、再委託を認めている。

4.再委託された収集運搬業者

例外的に再委託された業者も、当然であるが、その仕事にかかるエリアの許可を持っていて、その車両が登録されていることが前提になる。