お得意さんの繁栄発展されている会社を見るにつけ、嬉しくなってきます。行政書士を開業して41年になりますが、繁栄発展を呼び込むような経営をされている社長さんに出会えて、喜びと感謝でいっぱいです。
富とも言える「人」「物」「金」を最大限に活かしながら、深い愛情でもって経営されている会社は、繁栄発展を続けています。
例えば、事業がうまくいき始めますと、すべてのものが好転していきます。「人」「物」「金」が、すべて、ついてくるようになってきます。そこに働いている人は、非常にやりがいを感じ、生きがいに満ち溢れるようになります。
一人の人が、目を生き生きとさせて仕事をしていると、その人に釣られて、他の人まで生き生きとしてきます。そして、その組織のなかに活気が溢れてくると、周りから、「われも、われも」と、参画したい人が増えてきます。このようにして、組織は発展していきます。
「繁栄は繁栄を呼ぶ」とは、この三つの要素が、お互いに相乗効果をなしながら前進していくことでしょう。経済的に繁栄していくためには、まず、この三つの要素のどれかを使って、あるいは、二つか三つの組み合わせを上手につくりながら、総合的に、より優れた方向へと進めていく必要があります。
一つの例として、金銭的に有利な立場にあるならば、その金銭を用いて優秀な人を雇うことも可能です。また、その金銭の力を背景にして、様々なノウハウを集めることも出来ます。役に立つ知恵も集めることも可能です。この知恵の部分には、情報ということも入っているでしょう。そのようにして、その繁栄は、ますます盤石のものとなっていくでしょう。
反対に、お金以外のものがあれば、その経済繁栄もありえます。
まず、知恵があったとすれば、どうでしょうか。知恵があることによって、そこに新たな事業が生まれてくることがあります。世の中の多くの事業も、最初は、単に人の頭のなかにあったものです。別な言葉で言えば、「アイデア」と言ってもよいでしょう。このアイデアがよければ、協力者が出てきます。また、それにお金もついてきます。真に人々の需要がある事業であるならば、お金がついてくることは当然であると言ってもよいでしょう。このように、資産として知恵の部分があれば、繁栄というものも、しっかりしたものになってきます。
次に、人的資源があった場合も、経済繁栄はありうるでしょう。「ある仕事を始めるときに、優秀な人さえいれば、不可能なことはない」と言ってもよいでしょう。「お金がなくとも、また、ノウハウが何もなくとも、優秀な人が集まれば、そこから何か始めていける」ということもありうるでしょう。
このように、「資金」があるか、「知恵」があるか、「人」がいるか、この三つです。この三つのすべては揃えば、「鬼に金棒」ですが、少なくとも、このうちの一つがあれば、成功へと転化していくことは可能であると思います。
得意先のN社長は、知恵のある経営者でありますが、特に、従業員への深い思いやりを持っておられます。人を責めるのではなく、上手に人を使われる名人です。従業員の方は、いつも生き生きしていらっしゃいます。会社に伺うだびに、こちらまで嬉しくなります。従業員数が200名を超える会社に繁栄発展してきました。
ある日、R社長に尋ねました。
「繁栄発展の秘訣は、何ですか」
「従業員のお陰です。それだけです。こんな私に付いて来てくれています。ありがたいことです。私がいつも大事にしていることは、従業員の良いところしか見ないようにしています。どんなことが起きても、どんなミスをおかしても、絶対に責めず、良いところだけを褒めるように心がけて来ました。これだけです。私には何の才能もないから、いつも従業員に助けられています。これだけです」
あっさりと「これだけです」と謙虚に答えられました。お世話になって30年近くなりますが、いつも謙虚にこだわりを持たれないN社長に惚れ直しました。