奈良県のランク付けは、独自な方法でされています。

経営事項審査の客観評価に、奈良県の主観評価をプラスして、入札参加のランク付けをされています。

平成29年1月現在で、A1ランクは経審が1,000点以上、1級の資格者が10名以上、会社の資本金が4,000万円以上で、Aランクは経審が900点以上、1級の資格者が5名以上、会社の資本金が4,000万円以上となっています。Bランクは経審が800点~899点、1級の資格者が2名以上、会社の資本金は2,000万円以上となっています。Bランク以上は、特定建設業者であることは当然です。

一方、大阪府では主観評価はなく、経審の点数だけでランク付けをしています。大都市ほど、シンプルで経審の客観評価だけでランク付けしているようです。国土交通省など国の機関も経審だけです。

奈良県では、なぜ、このように主観評価を定めているのか疑問が残りますが、そこは各行政のこと、様々な思惑があって、ランク付けしているようです。

例えば、奈良県でJV工事の入札参加があった場合を考えてみます。奈良県の建設工事ですので、地元優先で奈良県の業者がJVの親になり、入札参加させたいのが奈良県の考え方ではないでしょうか。その場合に、大阪府の業者とJVを組む場合、子に当たる大阪府の業者が規模的に大きな会社が多くなり、親である奈良県の業者との比較を考えた時に、ある程度のバランスを取る必要があります。そういう意味で、奈良県独自の主観評価を入れて、資本金4,000万円以上や1級の資格者10名以上のシバリをつけているように窺えます。

このように都道府県によって、入札参加のランク付けは様々ですが、奈良県のようなケースもありますので、ランク付けの意図みたいなものも斟酌する必要があるようです。