仕事を道楽にする。勉強を道楽にする。両方の道楽を大いに楽しんだ方である。人生即努力、努力即幸福は、本多静六先生の有名な言葉。天才肌の学者ではなく、人の3倍も5倍も努力された林学界の巨星である。
東京の日比谷公園など、日本全国の有名な公園を設計された方で、日本初の林学博士でもある。
11歳で父を失い、苦学して、山林学校(現在の東京大学農学部)に入る。一年生の時に、幾何と代数ができなくて落第点をとった。恥ずかしくて郷里へ帰ることもできず、親にも申し訳ない気持ちでいっぱいになり、自殺をはかる。
寄宿舎の裏にあった古井戸に身を投げた。しかし、片腕が中途にあった井げたに引っかかって離れなかった。離れないので、思い直した。その後、死ぬ気になって猛勉強をしたら、幾何の天才といわれるまでになった。
山林学校を卒業して、ドイツに留学。4年かかるところを2年で、ドクトルの学位を取得する。その後、東京大学の助教授、教授になる。まさに努力の人である。
彼の本を読むと、いつも勇気づけられる。私の尊敬する人物の一人である。