世の中には、実に「さわやかな人」がいらっしゃいます。得意先T社の事務員さんです。いつ電話しても気持ちがいいです。実際にお会いしても「さわやかさ」そのものです。こちらまで「さわやか」にしてくれます。実はT社の事務員さんも「さわやか」ですが、それ以上に輪をかけたような方が、T社社長の奥様です。やはり、同じような「さわやかさ」を持った方を引き寄せるのでしょうね。
「魅力ある人生にしましょう」という記事を書きましたが、この魅力ある人生を「さわやかに」生きている方は、そう多くいないと思います。
では、「さわやかな人」とは、いったい、どのような人なのでしょうか。どのような人に、さわやかな感じを受けるでしょうか。そして、「さわやかな感じを受ける」ということが、何ゆえに、素晴らしいことだと思われるのでしょうか。
T社の奥様ですが、いつも心穏やかに、心静かに明るく話をされます。それは、いつお会いしても変わりません。きっと、心穏やかに、心静かに日々過ごされているのでしょう。
何が苦しいといって、心が動揺し、浮き沈みが激しい時ほど苦しいものはありません。やはり、そういう心の浮き沈むを通り越して、穏やかな湖面のような、さわやかさがあればこそ、人は幸福を感じられるのだと思います。また、「さわやか」ということは、「他の人々を害さない」ということです。さわやかな人は、決して他の人々を害さないという面があるように思います。
では、なぜ、さわやかな人は、他の人を傷つけずに生きることができるのでしょうか。それは、一つには、引っかかりというものを持たないからだと思います。
実際に、いろいろな人と話をしてみると、必ずしも自分と意見の合う人ばかりではありません。また、必ずしも自分の考えが相手に受け入れられるわけでもありません。
ところが、さかやかに生きている人というのは、他の人との間に起きた摩擦を、必ず、見事な潤滑油でもって乗り切っているように感じます。そして、「不愉快なことは、できるだけ小さく受け止め、押し流していく」という気持ちで生きているのではないでしょうか。
T社の奥様と事務員さんを見ていると、「さわやかさというものによって、これほどまでに人々が生きやすくなっていくのだ」ということを、つくづく感じます。
さわやかな人にとって、大切な心構えというものがあるように感じます。それは、「毎日、毎日、一日一日を、感謝して生きる」ということでしょう。T社の奥様を見ていて、そう感じました。なぜなら、最近、T社の社長が病気で亡くなられたにも関わらず、深い悲しみの中にあっても、残された従業員と家族のために、社長の後を引き継ぎされました。これは、夫である社長への感謝であり、従業員への感謝の現れです。いつもの明るさとさわやかさで持って、会社経営にまい進されています。
人生は、長いように思っても、やはり、一日一日の積み重ねです。その一日をさわやかに生きつづけるためには、一日の枠のなかで人生を完結させながら、その日の問題をその日のうちに解決し、嫌な思いを翌日に持ち越さないことが大事でしょう。
一日前、二日前、三日前、半年前、一年前の引っかかりを持ち越していると、なかなか、さわやかには生きられないものです。「生きていく上で起きてくる、さまざまな波風を、どのように乗り切っていくか。どのようにさわやかに乗り切っていくか」ということが、人生の課題でもあると思います。T社の奥様にそれを感じました。
T社の社長交代で、いくつかの仕事を頂戴していますが、奥様と事務員さんの「さわやかさ」に教えられることが多くありました。T社の繁栄発展を心より祈念いたします。