得意先を見直す時によく利用される方法です。

売上高が多い得意先を単純に上位から並べ、売上高を加算していきます。加算した累計額が売上げの95%を占めたところで線を引きます。

例えば、得意先が100社あり、40社あたりで売上高の95%を占め、残り60社で、全体売上高の5%だとします。

これは、売上げが少ない得意先に時間と人をかけていることになります。売上げが少ないのに経費をかければ、粗利益は薄くなります。中には赤字で取引をしているところもあるかもしれません。得意先のランク付けは、この95%の原理を徹底させ、1年に1回は行ってください。

 

そこで、効率的な経営をするために、費用効果が低い下位5%の得意先を、思い切って切ることも考えなければいけません。大きなメスを入れなければ、空回りするだけで、営業利益も向上しません。

 

もちろん、得意先を切れば業界に悪評が立ったり、得意先の業績を悪くすることもありますから、簡単なことではありません。長年の付き合いがあるとか、先方の社長と親しくしているとか、人情として簡単に切れない事情もあるでしょう。

 

一番よい方法は、得意先のほうから取引をやめてもらうことです。それが波風を立てないスマートなやり方でしょう。それには、理不尽でない程度に納入価格の値上げを通知するとか、こちらから配送していたものを、先方に引き取りにきてもらうといった方法があります。

 

この95%の原理は、私の尊敬する経営コンサルタントの一倉定さんが提唱したものです。