「松の花」をはじめ、「梅咲きぬ」「尾花川」など11編を収めた、山本周五郎さんの短編集です。

原田甲斐を主人公にした「樅ノ木は残った」で、有名な方ですが、この「日本婦道記」も好きな作品の一つです。

彼の小説には、必ず日本女性が登場します。特に「日本婦道記」に描かれた女性は、理想の婦人像であり、日本女性の美しさが表現されています。その美しさは、夫も気づかないところにポイントがあるように思います。

「日本最後の貴婦人」と、私は勝手に評していますが、お読みになる価値は充分にあると思います。

一見しますと、女性だけが不当な犠牲を払っているようなイメージもありますが、そうではない。夫も妻も一緒になって、一つの苦難を乗り越えていく内容です。

でも、やっぱり、こういう女性に憧れますね。