山本順三さんの「無暖房・無冷房の家に住む(三一書房)」のP47から。

紀州和歌山に、㈱山長商店がある。広大な地域を支配していて、徹底した管理によって、植林、林業、伐採、プレカットまで一挙にこなし、中間業者なしで消費者に届く仕組みになっている。

首都圏からバスツアーがあって、現地で宿泊設備があり、植林や伐採まで見学体験できる。知人は工務店の社長と一緒に訪れて、自分の住まいの大黒柱は「これ~」と言って3本ほどの候補を選び出してきた。

断熱屋の知るところ、材木の乾燥率を刻印しているのは全国的に多くない。乾燥率はとても重要なものだから、設備費はかかると思うが広げて欲しい基準である。

同社の柱には1本1本に、SD―15、20、25のように乾燥率が刻印してある。近い将来にはほとんどの材木に表示されるのではないか、日本の林業が云々という前に、このようなものでないと売れない時代になっていることを関係者は心してほしい。

また、背割りがないことも大工さんには嬉しいことで、強度も保てて造作後に狂わないのがよい。また、集成材と違って、無垢材は建ててから2年近くも木が乾燥によって鳴くといわれる。ビシッ、キー、ギーなどと鳴く、私のところは冷暖房なしのせいもあり、一度も鳴くのを聞いていない。事実、ヒビが入ったところがない。

「モック」は山長の兄弟会社で、首都圏の販売を担当している。

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