相手の気持ちが実感できないと、その人に対する優しさが、なかなか出てこないものです。

特に、環境に恵まれ、順調に生きてきた人は、他の人に対して厳しくなりがちです。また、言葉も荒くなります。相手に対し、「なぜこんなことができないのか」などと言うこともあります。

しかし、深い悲しみを実体験すると、人を許す範囲が広がります。

「人が悲しんでいる姿とは、どのようなものか」ということが、切々と胸に迫るように分かるからです。

それは、深い悲しみを味わったことがある人だけの実感でしょう。

悲しみを経験した人には、独特の優しさがあります。それは一つの光です。

「悲しみの底を打ち破ったとき、光が出てくる」という言葉もありますが、それは、このことを言っているのだと思います。

人と接するときの優しい眼差しや、「相手の成長を待ってあげられる」という気持ちは、大きな悲しみを通過した人に特有のものです。

私の尊敬する経営者から、教えていただきました。