金銭、不動産、株・国債などの有価証券、著作権等々、財産的なものなら、何でも信託できます。但し、法律上、信託が可能でも、一定の手続を踏まないと信託できないことがあります。
その一つに不動産があります。不動産を信託すると、受託者(財産を管理する人)に名義が移り、不動産登記を経る必要があります。例えば、自宅の居住用不動産を、父親が委託者になり、長男が受託者になる場合、その不動産の名義を長男名義にする手続が伴います。もちろん、登記手続費用や登録免許税は発生しますが、長男に対する贈与税は発生しません。
もう一つには、金銭を信託した場合に気をつけることがあります。それは、信託専用の信託口口座を開設し、その口座に金銭を保管することになります。しかし、この信託口口座を開設してくれる金融機関は、令和2年12月現在でも、まだまだ少ないのが現状です。その点、三井住友信託銀行は信託口口座を開設してくれる唯一の金融機関です。この詳細な内容については、該当記事を参考になさってください。
さらには、投資信託の権利や上場株を信託した場合も同様です。法律上は、投資信託や上場株を民事信託することは問題ありません。しかし、証券会社など窓口で民事信託に対応するかは難しいところがありますが、既に、野村証券やエース証券は、信託口座を開いています。