断食の意味を、手元にある明鏡国語辞典で調べると「修行・祈願・抗議などの目的で、一定期間自発的に食を断つこと」とあります。一食抜いても断食になるのかどうか分かりませんが、朝食をとらない方が良いとか、反対にとった方が良いとか、健康に関する本を読みますと書かれています。あるいは、一日二食が健康のために良いとか、一日一食を何年も続けらている方など様々です。個人的には、その方に適した食べ方が一番良い方法だと考えています。

 ところで、断食で思い出すのは「甲田光雄先生」のことです。断食や小食の書籍を書かれた大阪のお医者さんです。直接お会いしたこともなく、二十数年前に甲田先生の書籍を買った時には、既に故人になられていましたが、深い感銘を受けたことを覚えています。現在でもアマゾンで甲田先生の書籍が販売されているのを知って大変嬉しく思いました。

 甲田先生は、断食と食事療法で、難病、奇病を治す名医だと記憶しています。薬を一切使用せず、三大成人病と言われるガン、心筋梗塞、脳卒中はもとより、高血圧症、糖尿病、肝硬変、慢性腎不全等の病を治されていました。その治し方は、先生が処方された「食事の献立」を患者さんに手渡し、患者さんが実行された時にそれらの病が治ります。患者さんが実行しない時は、先生は「もう、来なくてもよい」と言われた。また、重病者は「断食道場」に入院です。本格的な断食と食事療法で、あらゆる病を治された先生です。

 今でも鮮明に記憶していることは、例えば、朝は7時に、昼は12時に、夕方は7時に食事するとします。甲田先生いわく、朝7時に食事して12時までは5時間、12時から夕方7時までは7時間です。五臓六腑が一生懸命に働いているにも関わらず、5時間後に昼ごはんを食べる。昼ごはんを食べてから7時間しか経っていないのに夕食を食べる。これでもか、これでもかと胃腸にものすごい負担をかけているのです。これでは病気になって当たり前です。その上、おやつや、ひどい時はサプリメントまで常用している。病気にならない方がおかしいと書かれていました。五臓六腑の身になって考えれば、残酷なことですね。

 少なくとも、食事と食事の間は、15時間空けるのが理想ですが、少なくとも12時間は空けること。胃腸は12時間は休まず働いて消化作業しているからです。胃腸が働くのを止めてから、次の食事をすることを力説されていました。なるほど、すごい先生だと感銘を受けたことを昨日のように覚えています。この話を今も得意先の社長さんや友人知人によくします。

 もう一つ覚えていることは、田中先生が患者さんに処方される食事の献立です。例えば、朝食は抜いて、お昼はお粥一杯。夕方は梅干しとめざし二匹にお粥一杯程度の献立を、最低一ヶ月間実践すれば、どんな病も治ります。実践できないなら「もう来なくてもよろしい」ということです。確かに一時的にはものすごく痩せますが、必ず病から快方されます。薬を一切使用されず、患者さんの病を治す名医でした。

 二十数年前に大阪府八尾市にある甲田病院(断食道場)に行ったことが数回ほどあり、その時は病院は既に閉鎖されていましたが、当時の病院関係者が一階で自然食品を販売されていました。そこで販売されている「缶入りの青汁」のことを知りました。それから、現在までその青汁を毎朝、朝食代わりに飲み続けています。そのお陰で、私のひどいアレルギー体質も治っていったのではないでしょうか。もちろん、半身浴や五本指の靴下との相乗効果で花粉症状もなくなり、アレルギー体質から脱出することができました。

 甲田先生に感謝です。甲田先生、ありがとうございました。