人間は自分の体を復元する能力を持っています。ただ、かなり忘れてしまっていて、その能力が眠っています。

 例えば、自然界を見ると、トカゲの尻尾は、いったん失われても、また生えてきます。また、カニも、ハサミのある脚がもぎとられたら、それがまた生えてきます。カニは、ハサミで防衛もすれば、それで餌も獲るので、ハサミがなかったら生きていけません。ハサミのある脚は、かなり複雑な構造でありますが、再生する力が、仏様から与えられています。

 ましてや、もっともっと仏様に愛されている人間が、「健康になる」と願っているときに、体の一部を復元するぐらいの力を持っていないわけがありません。

 それができないのは、人々が唯物論にかなり毒されていて、「そういうことはできない」と思っているからです。

 医者は、「随意筋は自分の意志で動かせる筋肉であるが、内臓は不随意筋なので、自分の意志では動かせない」と言っています。教科書の載っているので、みなさんも、そう教わり、刷り込まれているかもしれませんが、そんなことはありません。

 人間の体は、頭蓋骨などの骨であろうが、内臓の筋肉であろうが、一生のあいだに、全部、変わっていきます。時間がかかるものもありますが、変わらないものはないのです。

 したがって、体を治そうとして、ずっと強く思念していれば、ゆっくりとではあっても、いろいろなものが治っていきます。

 思いの力によって自分の体を悪いほうに変え、ガンをつくったりすることがあるのですから、よいほうに変えていくことだってできるのです。

 胃腸や心臓、肝臓など、内臓のどこかが弱い人もいるでしょう。内臓の機能も変えていくこともできます。強くすることができるのです。

 そのように、人間の体も治せると思ったほうがよいのです。時間はかかりますが、強い思念を持っていたら治ってきます。

 そのあいだは、自助努力として、健康になるための方法を、自分なりに行う必要があります。何もしないで、ただただ願っているだけでは、やはり駄目です。やれることは、きちんとやらなくてはなりません。

 例えば、たばこを一日に百本も吸っていながら、「肺ガンを治してください」と祈るのでは、虫がいいのではないでしょうか。やめるべきものは、きちんとやめなくてはなりません。

 また、コレストロール値が高いのであれば、それを下げるしかないでしょう。コレストロールの多い食べ物は減らし、運動を増やして、努力すべきことは努力しながら、「ここを治してしていこう」と強く思えば、そのように変化していきます。

 そういうことは幾らでも起きるので、もう少し、思いの力を強く出してください。

 いま、若い人には、歯の矯正器具を口に入れて、歯並びを直している人がたくさんいますが、本当は歯だって動くのです。一年ぐらい強く思ってごらんなさい。動きはじめます。「これを五ミリぐらい動かそう」と思って、じっと思いつづけたら、動いていきます。

 目も同様です。近眼になるような無能な体を、仏様は人間に与えていません。しかし、眼鏡をかけてしまうと、それに合ってしまって、目の筋肉は、思ったように動かなくなるのです。それだけのことです。本来は水晶体だって動かせるのです。

 人間の体は、あらゆる部分が、成長、発展する余地を持っています。したがって、病気を治せる可能性はあります。時間は少しかかるかもしれませんが、思いを実践において治していくことはできると思います。