年末に隣組が寄り合い、草むしりと溝掃除をします。70代、80代の婦人が多く参加され、清掃が一段落すると世間話になります。体の悪い箇所の話ばかりです。何と病院の診察券を20個も持っている方もいます。10個から15個程度はざらです。

 私は、その婦人らに言いました。

「一度、その診察券を全部すてて、病院に行かない方が健康になりますよ」

「どうしてですか」

「病院に行けば、医師は必ず病名をつけて、薬をいっぱい出すでしょう。それを飲むと、また違うところが痛む。また、病院に行くでしょう。そして、新しい病名がついて、また薬をもらって飲むでしょう。その繰り返しで一向によくならない。その薬自体が別の悪い箇所を作っていることを知ってください」

「どうして、そんなことがわかるのですか」

「母親も同じようなことをやっていて、診察券を全部すてさせました。大好きな甘い物を控え、食事も腹七分目を徹底し、散歩も毎日欠かさずしました。3カ月後には、腰や肩、関節などの痛みが取れ元気になりました。もちろん、その間、1回も病院には行っていません」

「だから、病院に行かない方がよいのです。もちろん、現代医学の良いところもありますが、医者の多くは、体の悪い根本原因を診ようともせず、検査結果表だけを見て薬を出すだけです。聴診器も当てず、患者の顔や目や舌も診ずに、パソコンの画面ばかり見ているでしょう。その検査結果にある統計的な薬を出すだけです。それもいっぱい。これじゃ、よくなるわけがありませんよ。医者と言うより、検査結果見る人です」

 母親も自分の努力で自分の体を治しました。本来、人間には自然治癒力と免疫力があり、それを上手に活用すれば、薬を使わず大抵の病気は、自分の力で治せます。医師が処方する薬は、一時的には痛みなどを取ってくれますが、常用すれば、薬の弊害で他の箇所が悪くなります。必ずと言ってもいいほど、そうなります。

 安保徹先生の著書「病気にならない体をつくる免疫力(三笠書房)」にも書かれていますが、薬の長期使用をぜず、適度な運動や食べることを工夫することで、自分の力で治せますと力説されていました。逆説的ですが、薬を常用しないことが健康の秘訣です。

 後日談ですが、私の話を聞かれた婦人のお一人が、母親と同じような症状だったらしく、毎朝の散歩を続けられ、好きな甘い物も控え、腹七分目も実践されました。私は忘れていたのですが、半年後にわざわざ手土産を持って、お礼に来てくださいました。笑顔で元気なお姿でした。もちろん、「診察券は全部すてました」と。