建設会社のA社長のお話です。
A社長の素晴らしいところは、どのような相手に対しても人を責めないということです。
役所の人に対しても、元請さんに対しても、下請業者に対しても、A社長と関係のある方々に接する態度に教えられるところがあります。一旦はじっくりと相手の方の話を最後まで聴かれます。例えば、自分が好まない相手でも、A社長の対応は変わりません。どのような相手でもいつも同じ対応をされます。
そして、いやな相手や欠点だらけに思えるような方でも、必ず受け入れて、彼らを良い方法にもっていこうとされます。彼らに対して、罵倒したり、悪口や不平不満など一切話されません。いつも彼らが成長してくれることを望まれています。
まだまだ、A社長の素晴らしいところがあります。
このようなA社長ですから、下請業者等から相談事がいつも舞い込んできます。A社長は、どんな相談ごとでも自分のことのように、その解決策を一緒になって考えられます。ご自分の仕事がどんなに忙しい時でも、相談事を優先され、いつも良い方法を模索されています。
まるでA社長の潜在意識が善回転しているようです。不思議な魅力を感じます。
ある日、A社長に尋ねました。「どうして、どんな方にも深い愛情を示されるのですか」。
「おそらく、おじいちゃんの影響が大きいかったと思っています。子供の頃、休みごとに母親の実家に行ってました。おじいちゃんが『自分のことより、人が喜ぶことをしなさい。きっと良いことあるよ』。実家に遊びに行くたびに言うので、子供心に良いことがあるなら、そうするよ。なぜ良い結果になるのか理由も分からず答えていました」。
「すごい、おじいちゃんですね」。「そうなんです」。
「その後、専門学校を終えて地元の建設会社に就職しました。社内の人間関係で悩んだ時期も多々あって、その時にいつも、おじちゃんの言葉が浮かんできて、自分自身の励みにしていました。いつしか、それが自分の習慣になった感じでしょうか」。
「実際に経営されている方の本を読むの好きで、そのたびに、おじいちゃんが教えてくれた意味が解るようになってきた。あれですよ。諺にある『情けは人の為ならず』自分に良いことが巡り巡りかえってくる。別に期待してやってませんが、私の習慣みたいなものです」。
「社長の習慣ですか。いいですね。潜在意識が旗ふって応援してますね」。
「ところで、いつも忙しくされていますが、何か体に良いことをされていますか」。
「これと言って何もしてませんが、おじいちゃんの言葉をいつも守っていると、不思議なんですが、病気にならないのです。先生、信じます?」。「信じます」。
A社長のように良きことが習慣になれば、潜在意識が善回転して、体の方にも良き影響を与えて、健康な体を維持できるのですね。良き習慣は、心も体も元気にします。