倉庫業法施行規則等運用方針〔4〕2以下に、一類倉庫の施設設備基準が詳細に規定されています。まず、土地への定着性等から始めます。

 

1.通常の場合

運用方針〔4〕2-2には、次のように記載されています。

 「土地」とは、陸地のみならず、建築可能な水面、海底等を含み、「土地に定着」とは、「土地」に定常的に定着されている状態を指す。

従って、陸地に建てられた倉庫のみならず、桟橋等に繋留(けいりゅう)された水面タンク等動力を有さず、移動にタグボート等を要する等容易に移動できない工作物にあっては土地に定着していると認められるが、土地に置かれたコンテナ(ボルト等で地盤に固定されている場合を除く。)等容易に撤去可能な工作物は、土地に定着しているとは認められない。

土地への定着性等に関しては、普通倉庫(1類倉庫、2類倉庫、3類倉庫、野積倉庫、貯蔵槽倉庫、危険物倉庫、トランクルーム)や冷蔵倉庫は、何ら問題ないでしょう。きちんと、建築確認申請をされ、建築確認済証及び検査済証があれば、土地への定着性等に関しては、全く問題ありません。

参考のために、建築基準法第2条で「建築物」の定義が規定されていますが、建築基準法でも「土地に定着する工作物」とされ、土地への定着性が謳われています。

 

第二条 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一 建築物 土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨(こ)線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとする。

 

2.水面、海底の建築物

土地への定着性等で問題になるのが、水面、海底の建築物です。

運用方針には「建築可能な水面、海底等を含み」とあり、また「桟橋等に繋留された水面タンク等動力を有さず、移動にタグボート等を要する等容易に移動できない工作物」と規定されていて、建築物というイメージが掴みにくいですが、「水面、水底等にあって定常的に桟橋や鎖等で土地に定着された状態」であれば建築物であるとされています。

営業倉庫の種類に原木等を浮かべている「水面倉庫」があります。この設備基準が別途運用方針で示されていますが、「防護施設」の要件が課されています。防護施設とは、「倉庫の周囲に設けられた築堤及び網羽その他の工作物を指す」とありますので、水面倉庫も土地に定着しているわけです。

 

3.土地に置かれたコンテナ

コンテナも容易に撤去可能でなければ、土地に定着性があるということになり倉庫として使用できる建築物になります。簡単に移動できるものは、建築物になりません。例えば、クレーンや車でけん引して移動できる状態のものは建築物になりません

つまり、土地に基礎をつくり、その基礎とコンテナとをボルトで固定すれば、土地に定着するので建築物となります。