原因不明の病気になったりする人は、多くの場合、憎しみの感情を強く持っています。人を憎んでいると、たいてい、体の調子が悪くなります。憎まれている人、憎しみを受けている人も調子が悪いのですが、憎んでいる人も、やはり調子が悪いのです。

 「許せない」という憎しみの感情を持っていると、精神の作用によって、病巣が体のなかにでてきます。破壊的な思い、憎しみの思いが物質化して、ガン細胞になったりすることもあります。

 そのように、思わぬところで病気が出てきます。

 したがって、他の人に対して、「自分は、一生、あの人を憎みつづけようと思っていたけれど、これ以上、憎みつづけると、自分も苦しい、もう、あの人を許そう」と思うことが大事です。

 自分自身のためにも、人を許さなければいけません。自分自身のことも許さなければいけませんが、他の人のことも許さなければいけません。

 自分に対して害をなした人、自分に恥をかかせた人、自分を迫害した人、自分を侮辱した人などは、確かに、たくさんいるでしょう。しかし、許さなければいけません。一年、苦しめば、あるいは、三年、五年、苦しめば、もう充分です。

 そういう人たちも、現在は変わっているかもしれませんし、反省しているかもしれません。「そのときは侮辱したけれども、あとで反省した」ということもあるのです。

 したがって、憎みつづけるべきではありません。

 ひどいことをされて、苦しい思いをしたとしても、それをいつまでも恨みつづけるのではなく、「相手も不完全な人間なのだ」と思わなければいけないのです。