土木工事を専門とされるA社長は、付加価値を高めるために測量機の高性能ドローンを購入されました。驚きの一言に尽きます。A社長は超こだわり人間ですから、何千万円もかけて先行投資をされたと思いますが、おそらく、高性能のドローンを所有している会社は、測量専門会社以外は、皆無に近いのではないでしょうか。大手でも専門業者に外注されるぐらいですから、A社長のこだりは半端ではありません。なぜ、高性能のドローンを購入されたのか、尋ねてみました。

 A社長いわく、「高年齢者のアナログ思考と若い世代のデジタル思考を融合させるためです。その暁には、建設業界の雇用促進に寄与します」。

「よく解りません。私に解るように話してください」。

「団塊世代を中心とする高年齢者は、建設現場で鍛え上げた経験が豊富であり、現場をよく熟知されています。つまり、デジタル思考よりもアナログ思考が勝っています。多くの方はPC操作などは苦手ですが、現場仕事は頭と体の中に刻み込まれています。反対に、若い世代の人は子どもの時からPCなどは使い慣れています。つまり、デジタル思考が勝っていますが、現場経験が少ないので、熟練者ほど現場のことは理解していません」。

「そこで、高年齢者に苦手なPC操作を覚えていただきます。苦手意識を払拭し、デジタル思考を加算できるように指導します。そうすれば、ドローン操作が出来るようになります。その結果、現場を熟知された方のドローン操作は、若い世代の人よりも威力を発揮します。ただ、高年齢者は体力が落ちてきていますので、現場仕事に無理がでない範囲で働いていただき、あとは事務仕事で活躍していただきます。そうすれば、雇用の維持といいますか、75歳までなら充分に活躍できます。会社にとっても、有用な人材になります」。

「若い世代の人は、ドローン操作は高齢者より早く操作出来るようになると思います。しかし、現場経験の未熟さから、現場で展開される様々な事柄に関して、まだまだ高齢者から指導が必要とします。そこで高齢者の出番になり、高齢者の立ち位置も保たれ、ここで両者の融合が始まり、相乗効果で良い建設現場に発展していきます。若い世代は、体力を活かしてアナログ思考に変身を図ることも可能になります」。

「ポイントは、高齢者のPC苦手意識の払拭と、若い世代のアナログ思考の養成です。これが雇用促進に寄与する意味になります」

「なるほど。さすがA社長ですね」

 A社長は、ここまで考え抜いてドローンを購入されたわけです。智慧の経営を実践されて続けている数少ない経営者です。積算名人もさることながら、素晴らしいの一言です。

 ドローンの活躍場所が増えれば増えるほど、利益効率はアップしていきます。今後の事業展開が楽しみです。期待しております。